≪ 赤い傘 ≫

森のブリコ

2016年09月17日 10:24

初めて買ってもらった傘は、赤。
早く雨がふらないかなあ・・・ 
ときどき空を見てました。

雨がふる日は嬉しくて、お庭の中や、
おうちの前をを行ったり来たりしてました。

小学校の三年生、お昼からのザァーザァー雨の日は
赤い傘を片手に持って、母は
下駄箱の所まで、笑顔で迎えに来てくれました。

中学生の傘は、校則で、黒か紺に決まってました。
セーラー服になったとき、赤い傘は、消えました。

お茶とお花のお稽古に。野点の席の赤い傘。
先生のお宅のお庭に映えて、和服の所作に憧れました。

高校生、どんな傘をさしていたか、覚えていない。
友人たちの折りたたみ傘を綺麗に畳むのが、好きでした。

お勤めの頃、前を行く相合傘に憧れました。
けれど、私はいつも片思い。雨の中、電柱のかげで
傘をさして、好きな人の後ろ姿を見てるだけ。

初めての愛々傘は、大きくて。それでも時々触れる肩
真っ赤になってうつむいて、話したことを覚えていない。

結婚が決まると、みんながお祝いに、
赤い和傘をくれました。いつか和服ではんなりと
お出かけしたいと思いました。

末に娘を授かると、赤がとっても似合う子で
引き出しの中は、赤ばかり。長靴も傘も赤色に!

保育園、水色のスモック、黄色いバッグ
ピンクの帽子に傘は、赤、
水たまりもピョンととびました。




夏の日差しの中で見た、赤い日傘をさす女性
浜辺の風に吹かれながら、海の彼方を見つめてた。

モダンバレエの舞台では、白いドレスのダンサーが
紅い傘で舞っていた。長い髪、清楚な白、妖しい紅、

私の年もひとめぐり、赤が好きになりました。
真っ赤な傘は、差さないけれど、
心にいつも赤い傘。

憧れ、優しさだけでなく、哀しみや、どうしようもないことも
そっと心に傘さして、微笑みながら歩いてく。

いつかは白髪のおばあちゃん。
車椅子になることも。それでも白いドレス着て
赤い傘を差したいと、今は思っているのです。

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