☆ ヒントを求め様々な本を読み、様々な人の言葉に助けられて生きて来ました。☆ブリコ童話は、私なりに学び、気づいたこと、思ったこと、伝えたいことを詩に童話にエッセイにブリコラージュしたブログです。☆長いものは、左下の・・・続きを読む・・・をクリックしてくださいね!

2012年04月19日

≪たんぽぽの羽毛≫

夕食の買い物は、歩いてゆくことにした。

天気予報は、曇りだったのに、さっきまで、雨が降っていた。
雨あがりは、空気がきれいな感じがする。
黄色や紫のパンジー、赤いチューリップ、花や緑も色を増す。

公園を横切って、線路伝いの小道を歩いてゆくと
柵の足元に、たんぽぽが咲いていた。 大きな花。
並んで、たんぽぽの羽毛が、
まんまるなボンボンになっていた。 

≪たんぽぽの羽毛≫

それを、そおーっと摘んで、もし、ひと吹きで飛ばせたら
願いが叶う。子供の頃から、そう信じてきた。

今日もやってみようと思ったた。そおーっとつんで・・・
でも、最近、なかなか、全部、飛ばせない。
一回ではきっと、羽毛を全部飛ばせないから、
私の願いは、叶わないだろう・・・けど、何回か吹いて
全部飛んでいったら、
誰かの小さな小さな願いが叶う気がした

ふ~っ ・・・ ふ~っ ・・・ ふ~っ・・・

雨あがりだからか、やっぱり何回もかかった。

風が、吹いてないから、ゆっくりゆっくり広がって
ゆっくりゆっくりのぼっていった。
みんなに小さないいことが、起こりますように・・・


歩きながら、また見つけて、摘んで、・・・吹いた。
ふ~っ ・・・ ふ~っ ・・・ ふ~っ・・・
ゆっくりゆっくり広がって
ゆっくりゆっくりのぼっていく。

もうひとつ・・・ ふ~っ ・・・ ふ~っ ・・・

不意に風が吹いて、最後の羽毛が、私の口の中に・・・

えっ?・・・コホン、コホン・・・のどの奥に入って出せなかった。

貴女だって、小さな願い、叶えていいんだよ!

どこからか、声が聞こえた。たんぽぽの声?

そうなの?・・・

じゃあ・・・もう・・・飲みこむことにした。

ゴクン ・・・ 飲み込めたかどうか、わからなかったけれど
何か、ひとつ、叶うような気がしてきた。

心の中にたんぽぽが開いた。 沢山、咲いた。

しばらく、私の中で咲いて、それが、ポンポンになったら
私の中から、飛んでゆくのかな?


歌や言葉と一緒に、ひとつづつ、飛び出して
どこかに飛んでゆくのかな?


それが、誰かをちょっとだけ、幸せに出来たら素敵だな


買い物の足取りが、軽くなった。


≪たんぽぽの羽毛≫


≪たんぽぽの羽毛≫


タンポポ,たんぽぽ(蒲公英)

花言葉は
「真心の愛」 「神のお告げ」
「愛の神託」 「思わせぶり」 「別離」


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Posted by 森のブリコ at 20:38 │実 話

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