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2008年10月28日

≪アンケート≫

広い広い宇宙が、まだ出来たばかりの頃、
星たちにアンケート用紙が配られました。
星たちは、それを受け取って、自分で記入するのです。
決まりは、『望み』と『我慢すること』を
同じ数だけ書きなさいというものでした。
三つ『望み』を書き入れたら、『我慢すること』も
三つ選ばなくてはなりません。

沢山のアンケートが回収されて
宇宙の中心に集められました。
その『望み』と『我慢』を組み合わせ、小宇宙に分けました。
それは、星雲に分けられて、
またまた小さなグループに分けられました。

太陽は、アンケートの『望み』のところに三つ書きました。
《リーダーシップ》と《巨大なエネルギー》と《光り輝くこと》
そして 『我慢すること』のところには
《孤独》 《不眠不休》 《自給自足》と書きました。

月は、何と書いたのでしょう?
『望み』は二つありました。
《ひとりぼっちはいや》《時々みんなに見てほしい》
『我慢』の所には、こう書きました。
《ひとりでは光れない》 《形に こだわらない》 

地球は何と書いたのでしょうか?
『望み』も『我慢』も たくさん書いたようでした。
『光をくれる親星のそばにいたい』
『小さな星でいいからそばにいてほしい。』
あとは『火』と 『水』と 『空気』と 『緑や花を』
『たくさんの生き物たちが暮らしてくれること』 なども。
だから地球は、どの星よりも色とりどりで美しく
活き活きとしておりました。豊かな表情がありました。

七つの我慢も決めました。
『自分で光れない』  『影の時間も受け入れる』
『すべての生き物を受け入れる』
『生き物の自由を認める』  『汚されても我慢する』
『傷つけられても文句を言わない』
『生き物たちが傷つけあっても、
仲直りを信じ調和の日まで待つ』
というものでした。

星たちの次に 海にも山にも木にも花にも、
生き物ひとつひとつにアンケート用紙は配られました。
どんな星に住みたいか?
どれくらいの時間、生きたいか?
どんな生き方をしたいのか?
そしてやっぱり、そのかわりに
何が、我慢できるかと・・・。
それらも宇宙にすいあげられて、
ほぼぴったりのその場所に送られるのでありました。

もちろん人にもそれは配られました。
ときどきずるい人もいて『望み』だけを書きました。
その人には宇宙の中心から
『我慢』を相応に決められて、さけることはできません。

『我慢』することだけを、選んだ人もおりました。
すると望まなかった幸せが、
どこからか降りそそぐのでありました。

他のなにかとぶつかって、望み』と『我慢』がすまないうちに
命がつきたそのときは、次のアンケートを書くときに
その数は、必ず繰り越しされました。

アンケート用紙は、すべてのものに、
その命が尽きて、その次の準備をしているときに 
必ず飛んで来るそうです。
                    

                      (おわり)





   そんなアンケートがあったとしたら
      あなたは、何を 書いたのでしょう?

   そんなアンケートが あったなら
      今度は 何を 書くでしょう? 


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